ワールドカップバレー女子札幌大会20071111【2】


女子大会は今日で終了。日本は敗れたものの、強豪ブラジルから1セットを奪取。終盤ミスが出たのが痛かったけれど、試合内容は悪くなかったと思います。オリンピック最終予選に向けてチーム力を一層強化して、是非とも北京出場を果たして欲しい!


続きです。
第二試合の途中から客席も混んできて、終了後、扉を出た途端の人山に圧倒されつつスペシャルサポーターグッズ(長い!)売場の様子をチェックしに行く私は一体、何をしたいんでしょう。
SPSG売場は、それなりに活気づいていて、見本を掲示してあるパネルのまわりには中高バレー部員が群がっていたし、買い求める人の姿も4〜5人見られました。少しでも列が短い女子トイレを求めてさまよっていたら、結構な数のうちわを発見。平成ジャンプ君、大人気!小中学生の女の子と付き添いのお母さんというコンビが目立つ。普段、本屋で働いていて感じることだけど、いまのお母さんはアイドルに理解があるなあ。詳しいし、娘のアイドル誌購入を援助して一緒に楽しんでいる節がある。
会場に戻ると既に照明が落とされていて、薄暗い中でスタンダップ兄さん2の指揮による応援の練習。テレビでいつも叫んでいる人はこの人なんだ。元祖スタンダップ。こういう人まで、全日本の試合と共に全国を移動しているのね〜なんて思いつつ肉まんにかぶりつく。18時開始予定の第三試合まで、もう少し。第一試合の開始時刻が12時半で、私は遅れて1時半頃からの観戦ですが既に半日。腹も減ります。
場内の観客席にもウチワが目立つようになってきました。元祖スタンダップ兄さんの、いよいよエンターテイメントがはじまりますよ〜で暗転。次の瞬間、スポットライトを浴びた10人のアイドルが登場。おお!知念君だ。彼は小さいから見つけやすくて良いなあ。会場の反応は様々だったけれど、みんな普通に楽しんでいました。私の前の席には、99年のワールドカップのロゴが入ったチケットケースを首から下げた夫婦と思しき男女(30代後半〜40代前半)が座っていたんですが、奥さんの方は手拍子して軽くのっていたし、第一試合から観戦していた隣のブロックの男女混合グループ(30代)の女性なんかは、グリンカにもアイドルにも同じようにキャーキャー歓声を上げていた。モロ、アイドル目当てのおねえさん(おそらく20代後半)もいたけれど、それより元気だったのは、後ろの席の中学バレー部員と思われる4人組。平成君のメンバーと思われる名前を口々に叫んで、喜んでいました。このくらいの年齢だと物心ついたときから、ワールドカップバレーとアイドルが手を組んでいるのだから、どっちも好きで当たり前なんだな。コーチ陣がベンチに現れれば、柳本章一監督に「しょーちゃーん」と呼びかけるし、全日本の選手が現れれば、一人一人の名を叫んでいて、とにかく全力。屈託無くバレーもアイドルも応援している姿が眩しいくらい純粋で、おばさんはちょっと羨ましい。観客席に向けてバレーボールを投げた後退場したアイドルと、入れ替わりで選手が登場。照明は暗いまま、派手な音と光の演出の中、名前を呼ばれた選手が一人一人現れて、公式ボールを客席に飛ばす。歓声はアイドル以上。
それにしても、選手の登場までこんなだっけ?大会ごとにショーアップしている印象。このときのケニアチームがとりわけ明るくて、しかも3階席に届く勢いでボールを投げていた。凄い肩!そして選手はみんなキレイ!長い手足に見るからにしなやかなバネを感じさせる体つき。身体能力が高いから、今後が恐ろしいです。第二試合が始まるときには、こんな演出はなかったので、どの国も日本と対戦する時だけやらされるんでしょうけど、せめて楽しんでもらえてるといいな〜他のスポーツの国際試合ってどうなんでしょう?こんな風に、エンターテイメントに選手が巻き込まれたりするのかしら?
その後、国旗を伴った、極普通の選手入場があり、試合開始。

大村選手がスタメン。大山選手や多治見選手、現役女子高生セッター河合選手まで登場して、結局この試合、出番がなかったのはセンター杉山選手のみ。このチーム、かつてない逸材揃いだと思うのですが、特にセンター陣の充実には目を見張るものがあります。杉山選手はタイム中のウォーミングアップしている姿が、本当にスタイルがいい。他の選手も皆、顔が小さくて手足が長いけれど、彼女はズバ抜けています。とにかくベンチ入りメンバー全員を見られて嬉しかった。ケニアにはストレートで勝利。
アイドルは選手入場の前、まだ会場が暗い内に着席したんだと思います。私の席は、アイドルの並びのブロックだったので様子がちっともわからない。それに彼らの周りは仕切られている上、スーツ姿の男性が終始目を光らせていて、タイム中に3階席から覗こうものなら、直ちに注意されるのだ。おお。上にもいたか、SP!
そのせいか、平成君に大きく手を振っていた私と同じ列のおねえさん達も集中して試合観戦していたように思う。だって座っている限り、かけらも窺えないんだもの。見えたのは、会場でウェーブした瞬間と、10人の内、何人かが立ち上がって拍手した時。客席のざわめきで気付く。みんな結構、注意しているんだな。おかげで私も、櫻井君の後頭部とスーツの背中が見られました。試合終了後、森アナウンサーの選手インタビュー中、その日のベンチリポーターだった大林素子を見ようと目を凝らしていたら、あれ櫻井君じゃない?という声が耳に飛び込んできて、咄嗟に振り返った。吉原知子も一緒に退場したのかな。大林素子はその後、インタビューが終わった高橋選手と話しているのを目撃。新旧エースが会話しとる、と感動して、充実の一日が終了。
会場でバレーとアイドルを見てわかったのは、バレーファンは、存外アイドル演出を受け入れているということ。本当に嫌な人は、アイドルが出るのを分かっていて、わざわざ会場に足を運ばないだろうからわからないけれど、これはバレーファンというより世の流れとして、アイドルが存在を認められていることの現れなんだろうと思う。日本のみならず他国の選手が、アイドル演出をどう感じているかという点に関しては、全く憶測の域を出ないので、希望的観測を述べると、若い男の子に応援されるのを喜んでいると良いなあ。V6から始まって何だかんだ12年にもなるので、日本の若い選手はそれが当たり前の感覚だろうし、若い女の子なのだからアイドルが好きでも何ら不思議はないと思う。他国の選手は、ワールドカップに行ったら、日本のアイドルなんて珍しいものを見られて面白かったと思ってくれているといいなあ。実際は、アイドルがショーを繰り広げている間、選手は登場のために控えているのだから見ていないかもしれないけれど。
1995年にワールドカップスペシャルサポーターとしてジャニーズアイドルが登場して今年で12年。それがバレーにとってアイドルにとって良いのか悪いのかわからぬまま、年月だけが過ぎ去って、いまや不思議な文化として定着しつつある。良い悪いは別にして、双方に得があったからこうして続いているのでしょう。そういう中で、何処が一番得しているのかを考えると、やはりイチ芸能事務所を責めるのは筋違いと言わざるを得ない。
そして結局、バレーアイドルに反感を抱きながらバレーアイドルのファンという矛盾に光を与えてくれるのは、アイドル自身の言葉だ。
「デビューのきっかけとなったバレーボールに、何か、恩返しができればと思い、今回、ワールドカップのメインキャスターとして、再び、バレーの現場に戻ってきました」櫻井翔(ワールドカップ2007大会パンフレットより一部抜粋)