2006年の収穫

2006年です。2007年は嵐一色だったので、2006年のまとめをメモ。

  • The Format『Dog Problems』

これはまさしく今年、といっても2006年ですが、の1枚です。なんと捨て曲がひとっつも無い!と書くと信じられないでしょうが、本当なんだから仕方ない。改めて聴いてみたけど、やっぱり好きです。このアルバム。
え〜Formatは、この2ndアルバムで日本デビューした、USはフェニックス出身の5人組なんだか6人組なんだかよくわからないバンドです。中核を成すのはNate Ruess(Vocals、Synthesizer)とSam Means(Keyboards、Guitar)の2人。ジャンルは何になるんでしょうかね。iTunesにはAlternative&punkと出ていますけどね。どうやらエモ系のインディー・レーベルからデビューしているようです。ポップですよ(小声)。聴く人が聴けば、色んなバンドの影響を受けながらも独自の世界を確立しているのが、わかるみたいです。ジェリーフィッシュ好きにはオススメのバンド、らしいです。私がわかったのはビートルズくらいですけどね。アルバムタイトルにもなっている「Dog Problems」なんて影響が顕著だと思いますヨ・・「Inches and Failing」なんかも?
ええ〜い、まどろっこしい!上記のどこか一箇所でも、ひっかかった方は、まず聴いてみてください!損はしない!!と、思う・・保証は致しません、けど、文句は受け付けます♪

近年の児童文学ブームの中、「西の魔女が死んだ」の映画公開を控えて話題性も抜群の梨木香歩。遅ればせながら(しつこいようですが2006年の話です)読みましたが、久々のクリーンヒット!特に女性にオススメの作家です。この作家のテーマとしておおまかに、エコロジーと生命があると思うのですが、女性が主人公の話が多い。これは作者が女性だという事もあるし、命を繋ぐ者という意味もあるのかな〜この辺りが自然の営みと関わってくる部分だと、朧気に考えています。
小説で、一番良いのは、やはり「西の魔女が死んだ」でしょうか。「りかさん」、「からくりからくさ」の連作は、ちょっと痛みが伴う読書体験です。フェミニズムに寄り過ぎな印象がある。女が生きていくのが大変なのは、紛れもない事実ですけれども。その点「エンジェル・エンジェル・エンジェル」はファンタジーというオブラートにくるまれているので、口あたりは良い。でも、このおはなしはコワイですよ〜「裏庭」になると、よりファンタジー色が強くなるので読み手を選ぶかも知れません。「家守奇譚」は珍しく男性が主人公のおはなしで、初め作者が趣味で書いていただけあって、力の抜け具合が秀逸な連作短編集。なぜかオタク心をくすぐる作品のようですので、(雑誌「活字倶楽部」の梨木香歩の特集ではダントツの人気)読んで、自分のオタク度を測るのも一興?と、どれもこれも秀作揃いではありますが、一番のオススメはエッセイ。「春になったら莓を摘みに」には、留学先の英国の下宿で出会った人々との交流が描かれていて、特に下宿の女主人ウェスト夫人が素敵!須賀敦子のエッセイが好きな方には、はまること請け合いです。
書きながら読み返そうと思ったら、中学校の学級文庫に貸し出していたんでした。梨木香歩は女子中学生にウケがいいですよ〜重いテーマを扱いながらも、温かい筆致で読みやすく、かと言って、児童文学の枠に留まることなく大人の鑑賞にも耐え得る、希有な作家と言えましょう。新潮文庫からたくさん出ています。