立ち読み

アイドル誌の購入に抵抗を感じる皆様へ
アイドル誌を買うのは、ちっとも恥ずかしいことではありません。大人がアイドルに夢中になるのは、そりゃあ恥ずかしいですよ〜でも、アイドルグループ嵐は、手放しで誉められないにしても素晴らしいですから仕方ないんです。それよりも何よりも、大人が立ち読みすることの方がよっぽど恥ずかしいことじゃないですか?
こんなこと言うのも、本屋で働いていると、本来、立ち読みはいけないことだと分かっている人はどのくらいいるのか。皆さん、立ち読みが当たり前だと思っているのじゃないかと、日々疑問なのです・・あのぉ、立ち読みがダメだって、ご存じですか?書店は図書館と違って、置いてある本は、全て商品だって知ってました!?
私も立ち読みはします。アイドル誌を立ち読みした馬鹿丸出しの記事を上げたこともあります。買ってもいないのに雑誌のタイトルを冠したりして、本当に恥知らずですが、言い訳すると、職業倫理を問うツッコミが欲しかった・・甘えてますね。
「立ち読み」は、そのものズバリ”店内で書籍・雑誌等の商品を買わずに立ったまま読むこと”ですが、購入の意志の有無が大きなポイントで、品定めの為に短時間読むのは、立ち読みには含みません。しかしながら、この「購入意志」と「短時間」がクセモノでして、最終的にはお客様の良心にお任せするしかないのが辛いところです。個人的には「購入意志」を拡大解釈して、1冊でも買ってもらえれば、他に何冊読もうと良しとしています。こんな事を言えるのも、私がレンタルショップを併設する複合書店に勤めているからで、個人経営の小さい書店で同じ事をすると死活問題ですので、立ち読みするなら、なるべくナショナルチェーンの体力のある本屋さんでお願いします。極端なことを言うと、出版業界全体を考えれば、ナショナルチェーンで立ち読みという名の品定めをして地元の書店で購入する、のを推奨したいくらいですね。
出版業界というのは商品も特殊なら、流通も特殊な、身近な割に世間にあまり知られていない世界だと思います。買わずに手に取るだけで、価値が流出する商品が他にあるでしょうか?(あります!CDにおける曲の試聴等、あるにはあるんだけど商品の性格や流通が違うので、ここでは問題にしません)私は、上記の馬鹿丸出しの記事で、買ってもいないのに雑誌(=書店の商品)の情報(=商品の価値)を一部公開していますが、ネット上でも実生活でも、このようなことは日常茶飯事なわけです。それなのに、どうして開けば読める形態を変えないのかと問われれば、コミックのビニール掛け等変えている部分もありますが、大小様々な理由はあれど、一番は、情報・文化の担い手だという自負があるから。書店はまだまだ、情報・文化の発信基地だと思っています。というより、そうでも思わないと、先行き不安な業界ピラミッドの最下層に位置して、薄給で(本の粗利はとても低いので、書店員の給料は小売業で下から数えた方が早い)年中無休で(町の書店でも元日くらいしか休まない)肉体労働なんて(本が詰まったダンボールは半端じゃなく重い。腰痛は職業病。いつも埃まみれ汗まみれ)やってられません。書店員を支えるのは志のみ(笑)って、笑えねー!!


追記)アイドル誌の購入に抵抗を感じる皆様へ
どうも文章が上手く書けなくて誤解を招きかねない内容ですが、要は、本屋で立ち読みして、何も買わずに帰るのは勘弁して下さい〜というイチ書店員からのささやかなお願いなのです。アイドル誌を全部買え、なんて非道なことは申しません。ただ、欲しいけど恥ずかしくて買えないと思っていらっしゃるなら、書店員の立場としては、買っていただけるなら何だって大歓迎!!ということをお伝えしたかった。個人的には、高校生がエロ本買うのだって許したい。つい余計な事を書いてしまいましたが、お客の立場で、われわれの給料まで心配する必要は全くありません。ただ、本好きの方なら、駅前や商店街から町の本屋さんが消えていく淋しさに共感いただけるのではないかと思って、泣き言を云いました。失礼致しました。