焼豚とトンカツ

言わずと知れた「きょうの猫村さん」の作者の短編マンガ集。タイトルで勝手に嫌な気がして放っておいた。私の猫村の読み方はグラビア鑑賞みたいなもんで、フォルムを愛でるというか、あのNecoの後頭部にたまらないものを感じて、いつも、絵がうまいな〜この人と思う。表題作の他に2つの短編とショートショートとでも言ったらいいのか、「鳥」というタイトルの2Pの作品。これが良い。電線にとまってピーチクパーチクいう鳥の図を、電線でページをつないで、引きの絵から寄りの絵にしている。1ページ目は部屋の窓から、少し離れたところの電線をわずか見上げる。つづいて2ページ目は近所の家の屋根を少し見下ろす形になるのかな。猫村のコマ割は1ページに上下2段の2コマで、この作品集の他のタイトルも同じスタイルで描かれているのだが、これのみ1ページ1コマ。これはホント好き。最後にこれがあって良かった。こういうの、もっと描くといいなと思う。表題作は佐倉夕子の存在が作品を救っている。生真面目一辺倒だと辛いので。「トンカツが食べたくなっちゃった」。