島田雅彦講演会

第18回伊藤整文学賞記念公演
「考古学と小説」
第17回受賞者島田雅彦
2007年6月15日(金)開演午後4時〜午後5時30分
於小樽グランドホテル4F
主催:伊藤整文学賞の会・小樽市北海道新聞


行ってまいりました!島田雅彦講演会。
整理券500円也〜
これを逃す手はないと仕事を早退けしましておばあちゃんに道を尋ねながらも、無事、開演時間に間に合いました。
同僚の皆様、親切にホテルの場所を教えてくださったおばあちゃん(目の前だった・・)ありがとうございました。


私が島田雅彦を読んでいたのは、十数年前、彼がまだ文壇の貴公子として華々しく活躍していた頃です。
嶽本野ばらが現れた今となっては、単なる大学教授のおっさん?いや、まだまだBRIOとか出て頑張ってますよ。
といっても文壇の動向掴んでないので適当ですが・・
島田雅彦ファンの大半がそうであるように、私もミーハーな興味で読み始めた一人。
しかも、めっきりご無沙汰。この賞の受賞作「彼岸先生」も未読。
講演を聴く前に、読み返そうとして本棚を探したけど1冊もなかった(←引っ越しの時に売っぱらったんでした。「サヨク」くらい残しとくんだったな)

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)

優しいサヨクのための嬉遊曲 (新潮文庫)

後ろの席の人なんて「私も(←ということは隣の人も)読んだことないんですけど、彼、いい男ですよね〜」とか言ってたし〔新聞のコメント(写真付)なんかは目を通しているらしい・・〕
小樽の人口構成比を考えると仕方ないんだけど、会場はお年寄りばかりで、この中にいったい何人の読者がいるのだろう?
斜め後ろの爺さんは、講演の最中だというのにガサガサゴソゴソ。飴か何かの包み紙を開ける音でしょうか。何度もうるさかった。


こんな中、島田雅彦は日々文学と格闘しているわけです。
「文学は死んだ」(「Rockは死んだ」を踏襲?)と言われて久しい現在、これだけ文学と真摯に向き合っている小説家はいません。
メディアの露出が多いため、晴れがましく見えますが、芥川賞に落選すること6回(!)が代表するように、
デビュー時は、順風満帆に思えた彼の作家人生は、決して恵まれたものではないのです。
本人も講演の後の質問コーナーで、司会者の「先生のご活躍はどこからくるものだと思うか?」という問いに
自嘲気味に「本業で不遇だと他で発散したくなる」という内容の回答をしていました。
あるいは、それは現代において純文学をやる者の宿命かも知れません。


この講演で島田雅彦は「資本主義を相対化する原理としての考古学」を、ユーモアを交えながら平易な表現で語っていました。
講演内容の詳細については、近いうちにアップする予定です。


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